院内処方から院外処方に変更をお考えのクリニック様

調剤薬局が医療機関の前に乱立している理由

調剤薬局の数が増えてきたのは、ここ数年の話で、1989年(平成元年)には約35,000軒しかありませんでした。しかし、2015年時点で約60,000軒に増加し、コンビニよりも多いことが取りざたされています。なぜこれほどまでに調剤薬局の数が増えたのでしょうか?一般的には「調剤薬局=お薬を渡すだけの場所」と思われていますが、実はたくさんのサービスを行っているのです。

サービスの例

  • 薬を調合する
  • 患者にヒアリングをして記録に残す
  • ジェネリック医薬品を勧める
  • 薬の詳しい説明をする

これらは、いずれも本来なら薬剤師が行うべき仕事であります。院内処方ですと、クリニックの片手間に処方するため、待ち時間が長いなど、クリニックの印象を害してしまうケースも多々あるようです。そのため院外処方へ切り替え、クリニック様本来の診察に力を入れるケースが増えているようです。また、そもそも、国が「医薬分業」という取組みを推進してきたことも大きく関係しています。

院内処方のデメリット

  • 医師自らが調剤し薬を患者に渡すため診察にかけられ時間がどうしても減る。
  • 医師が一人で行うため、薬の内容をチェックする人が介在せず、ミスがあっても見逃されやすい。
  • 他院でもらっている薬がわからないため、薬が重複して処方されることがありうる。

こうしたデメリットを無くす取組みがなされ、新たに生まれたのが医薬分業(院外処方)というしくみです。

医薬分業のメリット

  • 医師は処方せんを書くだけで済み、したがって医師にかかる負担が軽減される。
  • 薬局において重複投与の防止や薬の相互作用に関する確認が行える。
  • 病院勤務の薬剤師は、クリニック内の患者様に集中することができる。

これらのメリットから、国は処方せんを発行する医療機関に報酬(処方せん料)を与え、医薬分業を推進してきたわけです。

薬価差(薬価差益)の縮小

しかし、これらのメリット・デメリットはあくまでも表向きの話であり、実際には薬価差(薬価差益)の縮小が一番の目的と考えられています。
薬価差(薬価差益)とは、「薬の仕入れ値と保険請求する薬価との差額」のことで、純粋な利益を生むことになります。実際に縮小効果は著しく、1993年においては19.6%だった薬価差益が、2011年には8.4%まで減少しているのです。
これは、市場における納入価をベースに薬価が定められるようになったことが影響しています。薬価には消費税分も含まれているため、最近ではほとんど利益がなくなってしまったのです。
これにより、1989年(平成元年)には10%程度であった医薬分業率は、2015年には70%近くまで上昇しています。

医薬分業の見直しが進められている理由

2015年には約70%が院外処方となりましたが、医薬分業はどちらかと言えば医師・薬剤師視点の取組みです。
そのため、お薬をもらう患者様側にしてみればデメリットになることもあります。

医薬分業のデメリット

  • 医療機関に行った後、改めて調剤薬局へ行かなければならないため、時間と手間がかかる
  • 医療機関からは診察代、調剤薬局からは薬代をそれぞれ請求されるため、二重にお金がかかる
  • 調剤薬局によっては、薬を置いていない場合があり、取り寄せに時間がかかるケースが出てくる
  • 医薬分業方式にインセンティブを与えているために、医療費が増加する

ここで一番のデメリットは、二重にお金がかかることであり、また医療費が増加している点です。これは、調剤薬局で生じる報酬が、医療機関内で生じる報酬よりも高く設定されていることも影響しています。
そのため、医薬分業の適切なあり方を求めて、現在調剤薬局の再編が進められています。
さて、「院外処方」は患者にとって、費用負担が増えるというデメリットしかないのでしょうか?そんなこともありません。一つには複数の医療機関を受診した患者さんが、「かかりつけ薬局」を持つことによって、安全で効果的な薬物療法を受けられるようになるということが、安心・安全こそクリニックにとって大変大きなメリットと言えるでしょう。

「医薬分業」は安全で効果的な薬物治療を実現する

薬剤師の風景

さて、原点に返って薬剤師の仕事や調剤薬局の役割というのは何でしょうか?
誰もがご存じのように、処方せんに書かれた薬を出すこと、これが一つ。それから、もう一つ大切な仕事・役割があります。それは「医師による処方を、薬剤師が別の視点からチェックする」ことです。医師と薬剤師が協力し合うことによって、より安全で効果的な薬物治療が実現するのです。

「疑義照会」について

また、薬剤師には「疑義照会」という義務があり、医師が発行した処方せんは必ず薬剤師がチェックしなければなりません。
薬剤師法第24条に「薬剤師は、処方せん中に疑わしい点(疑義)があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた(照会)後でなければ、これによって調剤してはならない 」とあり、「疑義照会」は薬剤師に課せられた法的義務なのです。
患者さんの健康リスクの発生を未然に防ぐために、薬剤師は例えば下記のようなチェックを行っています。

疑義照会の具体的なチェック例

  • 処方せんにある薬剤名は正しいか?
  • 処方された用法・用量は適正か?
  • 処方せんに何か不備は無いか?
  • 副作用や薬物アレルギーの可能性は無いか?
  • 「飲み合わせ」の問題は無いか?
  • 同一または類似成分を含む薬が重複していることは無いか?など

この機会に是非、院内処方から院外処方の切替えをご検討されてはいかがでしょうか。
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